コラム

手すりの補助金|介護認定・年齢・子育てなど状況別に使える制度と申請の時期

この記事の結論

  • 要支援・要介護の認定がある方は、介護保険の住宅改修(工事費20万円までの7〜9割を支給)を最初に検討します。
  • 認定がない65歳以上の方は、区の「予防給付」が使えます(大田区・江戸川区・渋谷区は当サイトの集計で確認できず)。多くの区で、介護保険の認定を申請して「非該当」と判定されたことが条件です。
  • 子育て世帯は台東区・板橋区、年齢などの条件がない制度は品川区・渋谷区・足立区に手すりを対象にした助成があります。
  • 国のみらいエコ住宅2026では手すりは1戸7,200円で、断熱などの要件化工事と一緒に行う場合だけ補助の対象です。手すりだけでは申請できません。
  • 当サイトの集計では、手すりを対象に含む制度の多くが工事前の申請を条件にしています。業者と契約する前に申請の時期を確認してください。

補助金を使うなら、見積もりを頼む時点で使いたい制度と申請の時期を業者に伝えておきます。

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まず状況を確かめる

使える制度は、次の順で確かめると絞り込めます。

確認すること 当てはまる場合 見る節
1. 住む人に要支援・要介護の認定があるか ある 「要介護・要支援の認定がある場合」
2. 65歳以上の方がいるか(認定なし) いる 「認定はないが高齢者がいる場合」
3. 身体障害者手帳などをお持ちの方がいるか いる 「障害のある方がいる場合」
4. 18歳以下の子・妊娠中の方がいるか いる 「子育て世帯の場合」
5. 上のどれにも当てはまらない ― 「年齢などの条件がない制度」「国のみらいエコ住宅2026」
6. マンションの共用部分・賃貸住宅のオーナー 該当 「マンションの共用部分・賃貸住宅」

当サイトが23区の公式ページと要綱を確認して集計(2026年10月24日時点)したところ、対象工事に手すりが明記された制度は国・区で39件ありました。そのうち工事前(着工前または契約前)の申請が必要と公式に書かれた制度は35件、工事後でも申請できる制度は国のみらいエコ住宅2026の1件、時期が読み取れなかった制度が3件です。以下の表は、この39件を状況別に分けたものです(受付を終了した制度は除く)。

要介護・要支援の認定がある場合

介護保険の住宅改修を使います。

制度 対象者 上限 申請時期
介護保険の住宅改修(居宅介護・介護予防住宅改修費) 要支援1・2、要介護1〜5の方 対象工事費20万円(支給は最大18万円・16万円・14万円) 工事前に事前申請、工事後に支給申請

手すりは介護保険の対象になる6種類の工事の1つです。廊下・トイレ・浴室・玄関、玄関から道路までの通路に、転倒予防や移動・移乗のために取り付けるものが対象で、壁の下地補強も付帯工事として含まれます(老企第34号)。工事を伴わない置き型の手すりは住宅改修ではなく福祉用具の扱いです。

申請にはケアマネジャーが作る「住宅改修が必要な理由書」が必要です(老企第42号)。手続きの詳しい順番は介護保険の住宅改修の記事にまとめています。

認定はないが高齢者がいる場合

区の高齢者向けの給付・助成を使います。多くは、介護保険の認定を申請して「非該当(自立)」と判定された65歳以上の方が対象です。まだ認定を申請していない場合は、地域包括支援センターに相談し、認定の申請から始めます。

区 制度 対象者 上限 申請時期
千代田区 高齢者福祉住環境整備(介護予防住宅改修等給付) 65歳以上で要介護認定なし 工事費20万円(1割負担) 工事前
中央区 住宅設備改善給付(予防給付) 高齢者で必要と認められる方。事前にアドバイザー派遣 20万円 工事前
港区 高齢者自立支援住宅改修給付(予防給付) 65歳以上で認定なし 20万円 工事前
新宿区 自立支援住宅改修 65歳以上で「非該当」 20万円 工事前
文京区 高齢者等住宅修築資金助成 65歳以上または心身障害者がいる世帯(介護保険認定者は介護保険優先) 工事費(税抜)の10%、上限20万円 着工の3週間前まで
台東区 高齢者住宅改修給付(予防給付) 65歳以上で「非該当」 区ページに記載なし(1割負担) 工事前
墨田区 高齢者自立支援住宅改修助成(予防改修) 65歳以上で「非該当」または未申請 20万円 工事前
江東区 高齢者住宅設備改修給付(予防給付) 65歳以上で「非該当」 20万円 工事前(区職員の訪問確認後に着工)
品川区 高齢者自立支援住宅改修給付(予防給付) 65歳以上で「非該当」 20万円 工事前
目黒区 住宅改修費の支給(予防給付) 65歳以上で「非該当」 20万円(1割負担) 工事前。区と協定した事業者が施工
世田谷区 高齢者住宅改修費助成(予防改修) 65歳以上で「非該当」 20万円 工事前
杉並区 高齢者住宅改修給付 申請日前6カ月以内に「非該当」と認定された65歳以上 手すり・便器洋式化20万円(1割負担) 工事前
豊島区 高齢者自立支援住宅改修費助成(予防的助成) 介護保険で「非該当」 20万円 工事前
北区 住宅改造費助成 65歳以上で認定を申請している方(非該当を含む) 資料から特定できず(1〜3割負担) 工事前
荒川区 高齢者住宅改修給付(予防給付) 65歳以上(給付区分ごとの要件あり) 20万円 工事前
荒川区 高齢者住宅改修給付(転倒防止給付) 70歳以上で介護認定を受けたことがない方 手すり6万円 工事前。区の給付券取扱事業者のみ
板橋区 高齢者住宅設備改修費助成(介護予防住宅改修) 65歳以上で介護予防が必要と認められた方 10万円 工事前
練馬区 自立支援住宅改修給付 予防給付 65歳以上で「非該当」 20万円(1割負担) 工事前。区の協定事業者から選ぶ
足立区 高齢者住宅改修助成(予防給付) 65歳以上で非該当判定から1年以内 20万円 公式資料から読み取れず
葛飾区 自立支援住宅改修費助成 65歳以上の事業対象者で認定なし 20万円(1割負担) 工事前

上限の多くは給付額ではなく、対象になる工事費の上限です。荒川区の転倒防止給付は認定を受けたことがない70歳以上が対象で、「非該当」の判定が条件になっていない点がほかの区と異なります。

耐震補強と同時に手すりを付ける場合は、中央区の住宅耐震併行工事助成(65歳以上または障害者手帳をお持ちの方がいる世帯、上限50万円)も対象になります。中央区の耐震補強工事の助成を受けることが条件です。

障害のある方がいる場合

身体障害者手帳などをお持ちの方向けに、区の住宅設備改善の制度があります。手すりは「小規模改修」に含まれることが多く、目黒区・大田区の基準額は20万円です。

区 制度 対象者 上限 申請時期
目黒区 障害者の住宅改修(小規模住宅改修) 重度の肢体不自由・内部障害の方(基本は学齢児以上64歳以下) 20万円 工事前
大田区 住宅改造相談・助成(小規模住宅改修) 重度の身体障害者(児)(原則学齢児以上65歳未満) 20万円 工事前
北区 身体障害者住宅設備改善費の助成(小規模改修) 在宅の重度身体障害者(児) 区ページに記載なし 工事前
豊島区 日常生活用具・住宅改修 難病患者等、定期通院中の精神障害者 資料に記載なし 工事前

目黒区・大田区・北区は、介護保険の対象になる方は介護保険を優先すると明記しています。江戸川区の住まいの改造助成(障害)は令和8年3月31日で廃止されました。

子育て世帯の場合

子どもの安全対策として手すりを対象にした区の制度は2区です。

区 制度 対象者 上限 申請時期
台東区 子育て世帯住宅リフォーム支援制度 高校生以下の子と同居または妊娠中の世帯(世帯所得1,200万円以下) 工事費(税抜)の1/3、上限20万円 工事前(交付決定前の着工不可)
板橋区 子育て世帯住宅リフォーム支援事業 18歳以下の子を扶養する世帯(妊娠中を含む) 工事費(税抜)の1/2、上限50万円 工事前。区の登録事業者が施工

台東区は、同じ工事で国・都の補助金と併用できません。板橋区は、2026年10月14日に補正予算が成立し、予算に対する交付予定額の割合は72.7%と公表されています(区ページ、2026年10月15日更新)。予算に達し次第終了のため、最新の状況は板橋区のページで確認してください。北区の三世代住宅建設等助成は令和7年度で受付を終了しています。

年齢などの条件がない制度

住む人の年齢や認定に関係なく、手すりの設置を対象に含む区の制度です。いずれも区内の業者や区と協定した業者が施工することが条件です。

区 制度 対象者 上限 申請時期 業者の条件
品川区 住宅改善工事助成事業 品川区民(対象住宅に居住)。工事費10万円以上 工事費(税抜)の10%、上限20万円 着工前に工事着手届。受付は令和8年4月1日〜令和9年1月29日(予算到達で終了) 区内に事務所がある業者
渋谷区 住宅簡易改修支援事業 区に住民登録があり、対象住宅の所有者・配偶者・親・子で居住している方。工事費5万円以上 工事費(税抜)の20%、上限10万円 工事前。申請年度の1月末まで 渋谷区協定事業者(区が紹介、指定不可)
足立区 住宅改良助成制度 自己居住住宅の所有者 工事費(税抜)の20%、全体の上限30万円(手すりは1mあたり3千円) 工事前(内定後に契約) 区内業者

足立区は、65歳以上の方や要支援・要介護の認定を受けた方がいる世帯では一部の工事が別の制度の対象になるとしています。手すりがどちらの制度の対象になるかは、申請前に区へ確認してください。品川区は同じ工事で区の他の助成との併用はできません。

国のみらいエコ住宅2026

国のみらいエコ住宅2026では、手すりの設置はバリアフリー改修の1つとして補助の対象です。ただし単独では使えません。

項目 内容
補助額 手すりの設置 1戸あたり7,200円。長さ・材質・箇所数にかかわらず1住戸1回
対象の場所 便所、浴室、脱衣室、その他の居室、玄関とそれらを結ぶ経路。屋外は門扉から玄関までの導線のみ
条件 断熱改修などの「要件化工事」を行う住宅で行う工事であること。工事を伴わない手すりは対象外
申請額の下限 1申請の合計補助額が5万円以上(他の住宅省エネ2026の事業で交付決定を受けている場合は2万円以上)
申請者 登録された「みらいエコ住宅事業者」が申請
期限 交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日、交付申請は遅くとも2026年12月31日まで(予算上限に達した時点で終了)

交付申請の手引きは、バリアフリー改修などの「補助対象工事」を、居室の開口部・躯体の断熱改修などの「要件化工事」を実施した住宅で行う工事としています。補助額と場所はバリアフリー改修のページ、1住戸1回・屋外の扱いはよくあるご質問で確認しました。窓の断熱などと同時にリフォームする場合に、手すりの分を上乗せする使い方になります。

マンションの共用部分・賃貸住宅

住戸の中ではなく、共用部分や賃貸住宅の手すりには別の制度があります。

区・国 制度 対象者 上限 申請時期
港区 共同住宅バリアフリー化支援事業 分譲共同住宅、高齢者を優先的に住まわせる賃貸共同住宅 手すりの工事上限70万円の1/2 工事前。毎年4月1日〜12月1日
台東区 マンション共用部分バリアフリー化支援助成制度 マンションの管理組合等 工事費(税抜)の1/3以内、上限50万円 工事前
墨田区 民間賃貸住宅改修支援事業(高齢者世帯等向け) 区内の民間賃貸住宅の所有者(改修後10年間、要配慮世帯へ賃貸) 対象経費の2/3、住戸20万円 契約前
目黒区 住宅リフォーム資金助成(D 空き家・空き室バリアフリー) 区内の賃貸用住宅の空き家・空き室の所有者 工事費(税抜)の10%、上限10万円 工事開始の1週間前まで。区内業者
杉並区 高齢者等賃貸住宅改修助成事業 区内に賃貸住宅・空家を所有する方 工事費(税抜)の50%、上限100万円 工事前
国 子育て支援型共同住宅推進事業 賃貸共同住宅の所有者、分譲マンションの管理組合等 改修型の補助率・上限は国土交通省ページに記載なし 交付申請は2027年2月26日まで(早期終了あり)

制度を組み合わせるときの注意

介護保険・区の予防給付・区の住宅改修助成を組み合わせるときは、次の点に注意します。

  • 介護保険と区の予防給付は、認定の結果でどちらか一方になります。要支援・要介護の方は介護保険、「非該当」の方は区の予防給付です。
  • 区の制度どうしは、同じ工事に重ねられないことが多くあります。品川区は区の他の助成との併用不可、台東区の子育て世帯向けは国・都の補助との併用不可と明記しています。
  • 介護保険の20万円を使い切った後に手すりを追加する場合、区の制度を使えるかは区によって異なります。区の窓口に確認してください。

次にすること

使う制度と申請の順番を確かめたら、次のページで住んでいる区や工事の場所の制度を確認してください。

  1. 住む人の認定の有無と年齢、子どもの有無を確かめ、上の表で当てはまる制度を選ぶ
  2. 認定がある方はケアマネジャー、認定のない高齢者は地域包括支援センター、それ以外は区の住宅課に相談する
  3. 業者の条件(区内業者・協定事業者・登録事業者)を確かめてから見積もりを依頼し、申請が通ってから契約・着工する

出典

この記事の数値と制度の条件は、次の公式資料で確認しています。

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