コラム

補助金を使うリフォームの業者の選び方|契約前に確認する6つの条件

この記事の結論

  • 補助金を使うリフォームでは、業者によって使える制度が変わります。価格の比較より先に、使いたい制度の業者条件を満たすかを確認します。
  • 国の省エネ補助(みらいエコ住宅2026・先進的窓リノベ2026・給湯省エネ2026)は、住宅省エネ支援事業者として登録した業者と契約しないと使えません。
  • 23区では、区内の業者に限る制度が9区に15件、区内業者だと上限や単価が上がる制度が5区に5件あります(当サイトが23区の公式ページと要綱を確認して集計、2026年10月24日時点)。「区内」の定義は区ごとに違います。
  • 業者を比べる軸は、登録事業者か、区内業者の条件、申請手続きへの対応、見積もりの内訳、建設業許可、保険・保証の6つです。

補助金を使うなら、見積もりを頼む時点で使いたい制度と申請の時期を業者に伝えておきます。

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業者を比べる6つの軸

補助金を使う場合は、次の6つを順に確認します。上の3つは補助金を受けられるかどうかに直接関わり、下の3つは工事の品質と契約の安全に関わります。

比較の軸 なぜ見るか どう確認するか
1. 補助金の登録事業者か 国の省エネ補助は登録事業者との契約が条件 住宅省エネ支援事業者の検索ページ、業者への確認
2. 区内業者の条件を満たすか 区の制度には区内業者に限るものがある 区の要綱で「区内業者」の定義を読み、業者の本社・営業所の所在地と照らす
3. 申請手続きに対応できるか 業者が申請する制度、契約前に申請が必要な制度がある 申請の担当者、申請の時期、必要書類を業者に聞く
4. 見積もりの内訳 補助額は製品の性能・サイズで決まるものが多い 製品名・型番・数量・単価が書かれているか
5. 建設業許可 請負金額500万円以上の工事は許可が必要 国土交通省の建設業者検索システム
6. 保険・保証・加盟団体 施工後の不具合や業者の倒産に備える リフォーム瑕疵保険の登録事業者か、登録団体の構成員か

軸1 補助金の登録事業者か

国の省エネ補助を使うなら、業者が住宅省エネ支援事業者として登録しているかを最初に確認します。登録していない業者と契約すると、工事の内容が条件を満たしていても補助を受けられません。

2026年10月時点の国の主な制度の業者条件は次のとおりです。

制度 業者の条件 申請する人
みらいエコ住宅2026事業 みらいエコ住宅事業者として登録した事業者と工事請負契約 事業者が手続きを代行し、補助金を発注者に還元
先進的窓リノベ2026事業 窓リノベ事業者として登録した事業者と工事請負契約 事業者。消費者自身は交付申請できない
給湯省エネ2026事業 給湯省エネ事業者として登録した事業者と契約 補助金は給湯省エネ事業者に振り込まれる。発注者への還元方法は契約前に事業者へ確認

出典:みらいエコ住宅2026事業、先進的窓リノベ2026事業 交付申請の手引き、給湯省エネ2026事業

当サイトが国・東京都・23区の公式ページと要綱を確認して集計したところ(2026年10月24日時点)、施工業者や、診断・設計・工事監理を行う建築士事務所などが国・東京都・区の登録を受けていることが条件の制度は、国・東京都・23区を合わせて15件あります。国の省エネ補助のほか、区の耐震改修(区や都に登録した施工者・耐震診断士・建築士事務所が条件)や、板橋区子育て世帯住宅リフォーム支援事業(板橋区住宅リフォーム事業者登録制度の登録事業者)なども含まれます。

確認の方法

住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトに「補助金利用を相談できる事業者(住宅省エネ支援事業者)の検索」のページがあります。住宅の所在地(都道府県)と相談内容を選び、登録している事業(みらいエコ住宅・窓リノベ・給湯省エネ・賃貸集合給湯省エネ)や予定している工事で絞り込めます。

このページには、次の注意書きがあります。

  • 掲載されるのは、公表を希望した登録事業者だけです。掲載されていない業者の登録の有無は、業者に直接確認します。
  • 契約前に登録の有無を確かめたい場合は、キャンペーンの問い合わせ窓口を使えます。
  • 住宅省エネ支援事業者の登録は、国や事務局が優良な事業者と認定したものではありません。

登録の有無は「補助金を使えるかどうか」の確認であり、業者の品質の確認ではありません。品質は軸4〜6で別に確認します。

軸2 区内業者の条件を満たすか

区の制度を使うなら、業者の所在地が区の条件を満たすかを確認します。当サイトが23区の公式ページと要綱を確認して集計したところ(2026年10月24日時点)、区内の業者に限る制度は9区に15件ありました。

「区内業者」の定義は区によって違います。主な住宅リフォーム向けの制度を並べると次のとおりです。

区・制度 区内業者の定義(要綱・公式ページの記載)
大田区 住宅リフォーム助成事業 区内に本社がある中小事業者1社と契約。区外に本社がある会社の区内支店、区内本社の会社の区外支店は対象外
品川区住宅改善工事助成事業 区内に事務所を有する民間業者。本社が区外でも区内に事務所・支店があれば可
目黒区 住宅リフォーム資金助成 区内業者。区外本社の場合は区内の支店・営業所が発行した見積書・領収書
世田谷区エコ住宅補助金 区内に店舗・営業所等を置く施工業者(個人事業者を含む)
北区 住まい改修支援助成 区内に主たる事業所を持つ中小企業・個人事業主
足立区 省エネリフォーム補助金 区内に本店・支店・営業所を有し、そこで契約する事業者
渋谷区 住宅簡易改修支援事業 渋谷区の協定事業者。施工事業者を申請者が指定することはできない

同じ大手のリフォーム会社でも、品川区では区内の支店で条件を満たし、大田区では満たさない、ということが起こります。業者に「区内業者です」と言われた場合も、区の定義(本社か、支店でよいか、見積書の発行元はどこか)に合っているかを要綱で確かめてください。

区内業者だと補助額が上がる制度

区内業者に限らないものの、区内業者を使うと上限額や単価が上がる制度が5区に5件あります(同じ集計)。

区・制度 区内業者の場合 区外業者の場合
練馬区カーボンニュートラル化設備設置補助金(高断熱窓・ドア) 上限20万円 上限12万円
北区 再エネ・省エネ機器等導入助成(窓断熱) 6万円 5万円
足立区 太陽光発電・蓄電池設置費補助金(太陽光) 上限28.8万円 上限24万円
豊島区木造住宅耐震改修助成金 加算あり 加算なし
荒川区エコ助成事業(高断熱窓・個人) 上限15万円 上限10万円

荒川区の「区内業者」は、領収書・内訳書の発行者の住所が区内の業者です。北区の再エネ・省エネ機器等導入助成は2026年10月24日時点で予算上限に達して受付を終えています。最新の受付状況は各区の公式ページで確認してください。

国と区の制度を両方使う場合

同じ工事に国の制度と区の制度を併用するなら、その工事を請け負う業者が「住宅省エネ支援事業者として登録している」と「区の区内業者の定義を満たす」の両方を満たす必要があります。たとえば大田区で窓リノベと区の助成を両方使う場合、区内に本社がある中小事業者で、かつ窓リノベ事業者として登録している業者が対象になります。条件が重なるほど候補は少なくなるため、業者探しの段階でこの2点を最初に聞くと効率よく絞り込めます。

軸3 申請の手続きに対応できるか

業者が補助金の申請に慣れているかどうかで、申請の時期を守れるかが変わります。当サイトが公式ページと要綱を確認して集計した国・東京都・23区の275件(2026年10月24日時点)では、業者との契約前に申請が必要と公式に明記された制度が73件、着工前に申請が必要な制度が131件ありました。業者が「すぐ契約して着工しましょう」と進めると、これらの制度は使えなくなります。

業者には次の点を聞きます。

  • 使いたい制度の申請を、業者が行うのか、自分が行うのか
  • 事前申請・予約が必要な場合、契約日と着工日をそれに合わせて調整できるか
  • 申請に必要な書類(見積書、経費内訳書、工事前後の写真、製品の性能証明など)を用意できるか

区の制度は本人が申請するものが多いものの、業者が作る書類が必要です。たとえば文京区の新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成は施工事業者が作成した経費内訳書が必要で、窓を施主が購入して取付けだけ依頼する形は対象外です。世田谷区エコ住宅補助金は、区内に住民登録があり、工事の契約・支払をする個人が対象です。

対象外とされている業者がいないか

区によっては、手続きの代行や施工の対象外とする事業者を公表しています。江東区の地球温暖化防止設備導入助成は4社を所定の期間、手続代理人・施工事業者として対象外としています。新宿区の省エネルギー及び創エネルギー機器等補助制度にも、不正な代行申請により指定された事業者は措置期間中、手続代行・施工の対象外とする記載があります。杉並区の制度のページは、クール・ネット東京の助成を使う場合、同団体が公表する事業者が手続代行者・施工事業者の対象外とされていることを案内しています(いずれも当サイトが公式ページを確認して記載)。訪問営業で補助金の利用を勧められた場合は、区の公式ページでこうした公表がないかを確認してください。

軸4 見積もりの内訳

補助額は製品の性能・サイズ・数量で決まる制度が多いため、見積書に製品名・型番・サイズ・数量が書かれているかを確認します。先進的窓リノベ2026は、ガラス交換・内窓設置・外窓交換ごとに性能区分とサイズで補助額が決まります。「窓工事一式」のような書き方では、補助の対象になるかも、補助額がいくらかも判断できません。

東京住宅リフォームガイド(東京都住宅政策本部)は、「○○工事一式」のような分かりにくい記載は内容の説明を受けること、リフォーム工事の前に事業者が行うアスベストの事前調査が見積もりに含まれているかを確認することを勧めています。見積もりの取り方と比べる項目は「リフォームの相見積もりの取り方」にまとめました。

軸5 建設業許可

請負金額が500万円以上の工事を頼むなら、建設業許可を持つ業者を選びます。国土交通省によると、建設業許可が不要な「軽微な建設工事」は次のとおりです(金額は消費税を含む)。

工事の種類 許可が不要な範囲
建築一式工事 1件の請負代金が1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
建築一式工事以外 1件の請負代金が500万円未満

これより大きい工事を請け負うには許可が必要です。許可には、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合の国土交通大臣許可と、1つの都道府県内だけに営業所を置く場合の都道府県知事許可があります。大臣許可か知事許可かで施工できる区域は変わりません。

許可の有無は、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで、会社名・許可番号・所在地・業種から確認できます。

500万円未満の工事は許可がなくても請け負えるため、許可がないこと自体は違反ではありません。小規模な工事では、軸6の保険や加盟団体もあわせて判断材料にします。

軸6 保険・保証・加盟団体

施工後の不具合や業者の倒産に備えるには、リフォーム瑕疵保険を使える業者かを確認します。国土交通省の案内によると、リフォーム瑕疵保険では専門の建築士が施工状況を検査し、施工後に欠陥が見つかった場合に保証され、事業者が倒産した場合は発注者に保険金が支払われます。保険に加入できる登録事業者は、住宅瑕疵担保責任保険協会の検索サイトで探せます。

東京都の既存住宅における省エネ改修促進事業では、断熱改修の工事にあわせてリフォーム瑕疵保険に加入する費用も助成の対象です(1契約7,000円、当サイトが公式資料を確認して記載)。

もう1つの目安が、国の住宅リフォーム事業者団体登録制度です。平成26年9月に始まった制度で、国が要件を満たす団体を登録・公表しています。登録団体の構成員は、契約時に必要な書面を交付し、一定額以上の工事では保険に加入することになっています(注文者が書面で不要と示した場合を除く)。国土交通省のページに登録団体の一覧(16団体)が掲載されており、業者がどの団体に加盟しているかを確認できます。

補助金を使う場合の確認の順番

ここまでの比較の軸を、実際に確認する順番に並べると次のとおりです。

  1. 工事の場所と住所から、使える制度の候補を決める
  2. 候補の制度の業者条件(登録事業者、区内業者の定義)を公式ページ・要綱で確認する
  3. 条件を満たす業者を2社以上探し、登録の有無と所在地を確認する
  4. 同じ条件で見積もりを依頼し、内訳・申請への対応・許可・保険を比べる
  5. 制度の申請時期(契約前か、着工前か)に合わせて、申請・契約・着工の日程を業者と決める

次にすること

使う制度と申請の順番を確かめたら、次のページで住んでいる区や工事の場所の制度を確認してください。

出典

この記事の数値と制度の条件は、次の公式資料で確認しています。

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